ブラックコーヒーの画像

先日ツイッターでコーヒーナップについてのツイートが話題になっていました。

コーヒーナップ(Coffee Nap)とは、コーヒーを飲んでから20分間だけ仮眠するというもので、眠気覚ましのための効果的な方法として、睡眠マニアの間ではよく知られているテクニックです。別名「カフェインナップ」とも呼ばれています。

ナップ(nap)とは「昼寝」「居眠り」を意味する英語。

これは、カフェインの覚醒効果が表れるまでに、摂取してから約20分かかることを利用したもの。裏ワザのようですが、しっかり科学的な根拠にもとづいた昼寝の方法です。

より詳しく説明しておきましょう。

コーヒーナップのやり方

コーヒーをカップに注ぐ写真

コーヒーナップのやり方は簡単です。コーヒーが苦手な人はカフェイン入りのサプリでも大丈夫です。

1. 昼寝に適した場所を見つける

気持ちよく昼寝をするためには環境も大切。人に邪魔されない、静かで薄暗い場所が理想的です。会社であれば休憩室などを利用し、休憩室が無い場合は耳栓やアイマスクを用意するといいでしょう。

2. コーヒーを飲む

コーヒーを飲んでカフェインを摂取します。科学者による実験では200mgのカフェインを飲むことで効果が立証されましたが、効き目が出る量は人によっても異なります。目安としては、コーヒーカップ1杯(150ml)のカフェイン量が約80~90mg。コンビニコーヒーもレギュラーサイズ1杯が大体同じくらいのカフェイン量になります(コーヒーのカフェイン量は使用する豆の量や種類、焙煎度によっても変わるためあくまで参考値としてお考えください)。

カフェインの過剰摂取は体調不良などを引き起こすことがあるため飲み過ぎには要注意です。健康な成人の1日のカフェイン摂取量は最大で400mgまでが望ましいと言われています。

飲み物別のカフェイン量は下図を参考にして下さい。

飲み物別のカフェイン量の説明図

参考資料:
カップサイズ毎の容量を知りたいです。|スターバックス コーヒー ジャパン
Beverage Nutrition Master List_CN | Starbucks Coffee Company
Summer 1 FY18 Beverage Nutritionals – 12.04.2018.xlsx | Starbucks Coffee Company
日本食品標準成分表2015(文部科学省) 1-0216 し好飲料類
※セブンイレブンの数値はお客様相談室へのメールにて確認。
※レッドブル、モンスターエナジーに関しては商品記載の成分表示を元に算出。

比較用に代表的なエナジードリンク2種も含めましたが、エナジードリンクには糖分やその他の成分も多く含まれるため昼寝の質を下げてしまう可能性があり、あまりおすすめはできません。
コーヒーについてもミルクや砂糖を入れたものではなく、ブラックもしくは微糖で飲むのが良いでしょう。

サプリの場合は輸入品になりますが、1粒200mgの錠剤をAmazonなどで購入することができます。

3. 目覚ましを20分後にセットして眠る

目覚まし時計の画像

人間の睡眠は、眠りに落ちて30分後くらいから深い眠りへと入っていきます。深い眠りに入ってしまうとすっきりと目覚めることが難しくなるため、その前に目覚めることが重要なポイントになります。

深い眠りを無理やり中断して目覚めると、起きたあとも強い眠気が継続することがわかっており、「睡眠慣性」と呼ばれます。

そんなにすぐには眠れないという人も、目を閉じてじっとしているだけでも昼寝の効果は得られるので、20分間ゆっくり休みましょう。

4. カフェイン効果ですっきり目覚める

20分後に目覚めると・・・頭すっきり! 集中力も回復し、仕事も勉強も大いに捗ることでしょう。

コーヒーナップの発見

ドライバーを対象にした実験でコーヒナップの効果が発見された

コーヒーナップはもともと1997年にイギリスのラフバラー大学での研究により、ドライバーの眠気を防ぐための方法として実験が行われ、効果が立証されました。

参考:Suppression of sleepiness in drivers: combination of caffeine with a short nap. – PubMed – NCBI

実験では12人の運転者に対し、自動車シミュレーターを使った2時間の退屈な運転の前に、200mgのカフェイン摂取と15分間の昼寝を行った場合の、運転中の眠気と脳波を比較しました。

その結果、何も飲まなかった場合(プラシーボを使用)と比較して、カフェインのみを摂取した場合は眠気が34%まで減少し、カフェインと昼寝をあわせた場合はなんと9%まで減少したとのこと。

また、日本の広島大学での2003年の実験でも、カフェインと昼寝を組み合わせることで、コンピューター作業の効率が上がったという結果が出ています。

参考:The alerting effects of caffeine, bright light and face washing after a short daytime nap – Clinical Neurophysiology

カフェインで眠気が覚めるのはなぜ?

目覚めた女性の画像

そもそもなぜカフェインで眠気が覚めるのでしょうか。

カフェインは、神経を沈静化する(休ませる)働きを持つアデノシンという物質と似た構造を持っています。

アデノシンは、起きて活動している間に脳内に溜まっていき、それが脳のアデノシン受容体(アデノシンと結合する性質をもつ部分)と結びつくことで、眠気を引き起こす要因になると言われています。

しかし、カフェインを摂取すると、構造のよく似たカフェインのほうが受容体と結びついてしまうため、アデノシンが受容体と結合できず、眠気を引き起こすことができなくなるのです。

カフェインが眠気をふせぐメカニズム

さらにカフェインには興奮作用があるため、頭が冴えて気分が高揚してきます。

それがカフェインによって眠気が覚めるメカニズムです。

参考:
カフェインの人に対する影響 / カフェインの過剰摂取について:農林水産省
アデノシンA2A受容体の研究(日本医科大学千葉北総病院脳神経センター 三品 雅洋)

カフェインの効果があらわれるまでの時間を活用し、覚醒効果をアップさせる「コーヒーナップ」

コーヒーを飲んでカフェインを摂取すると、カフェインは小腸で吸収され、血管を通って脳へとたどり着きます。そこまでにかかる時間が、約20分。

つまり、カフェインによる覚醒効果が出るのは飲んでから20分後になります。

それなら、その間に昼寝をしてしまおう! というのがコーヒーナップの考え方です。そしてそれは、ただ単に空き時間を有効活用する以上の意味があるのです。

コーヒーを飲んだだけだと・・・

昼寝をせずに、ただコーヒーを飲んだだけの場合、脳内にはアデノシンが溜まったままの状態です。

カフェインの効果が出たあとも、アデノシンは受容体と結合できぬまま脳内にたまり続けるため、カフェインの効果が弱まったときに、一気に大きな眠気が押し寄せることになるでしょう。

言ってみれば、たまっていく眠気をカフェインで無理やり感じなくさせている状態なのです。

コーヒーを飲んだあとに昼寝をすると・・・

アデノシンは睡眠をとることによって減っていくことがわかっています。

コーヒーを飲んだ後に20分間の昼寝を行うと、カフェインが脳にたどり着く前に、先にアデノシンを結合させて減らしてしまい、脳内をクリーンな状態にしておくことができます。

そうすることにより、カフェインのパワーをより効果的に発揮することができる! というわけなのです。

コーヒーを飲まずに、短時間の昼寝をして眠気を解消する方法は「パワーナップ」と呼ばれます。パワーナップだけでも高い効果がありますが、「コーヒーナップ」は、パワーナップにさらにカフェインのパワーをかけ合わせた、より強力で効果的な眠気解消法と言えるでしょう。

簡単に実践できて効果も高いコーヒーナップ。是非ためしてみて下さい。