
「今日1時間しか寝てない」
「3日寝てないのでそろそろ限界」
そんな「寝てない自慢」をする人、いますよね。
正直「ちゃんと寝てください」としか言いようがないのですが、彼らは一体何をアピールしたいのでしょうか? 果たして本当に寝てないのでしょうか?
もくじ
寝てない自慢をする人には要注意!
「寝てない自慢」をしてくる人が、もし本当に寝ていないのだとしたら、睡眠不足による集中力の低下から重大な事故などを起こす可能性が高いため、注意が必要です。しっかりと危険性を認識してもらわねばなりません。二度と寝てない自慢ができないように、睡眠の大切さを徹底的に叩き込んでやりましょう。
あるいは、実は寝ているくせに、ハッタリで「寝てない」と嘘を言っている可能性もあります。
そんな人は他にも色々な嘘をついているかもしれませんので、注意が必要です。オオカミ少年のようになってしまう前に「寝てない自慢は意味がない」ことをわからせましょう。
寝てないことがなぜ自慢になるのか?

「寝てない自慢」は日本特有のものだということをご存知でしょうか。海外ではむしろ「十分な睡眠が取れてない」ことは「自己管理ができないダメなヤツ」か、本当に睡眠障害などで悩んでいる人かのどちらかなので、心配されることはあっても全く自慢にはならないのです。
なぜ日本では、それが「自慢」になってしまうのでしょうか? それは高度経済成長期からバブルの時代にかけて形成された日本のサラリーマン精神にルーツを見出すことができます。「24時間戦えますか?」などのフレーズが流行し、「極限まで無理して頑張れる=タフでカッコイイ」というイメージが日本の大衆に浸透したのです。
そこから「寝る時間もないほど忙しいオレはカッコイイ」「寝なくても平気なオレはタフなヤツ」という心理に繋がり、「寝てない自慢」をしてしまうのでしょう。
しかし、ブラック企業や過労死が社会問題となり、働き方改革が叫ばれるようになって久しい今日この頃。このご時勢に「寝る時間がない」ことを自慢するのはもはや「時代遅れ」としか言いようがありません。本当に寝る時間もないほど忙しそうな人が「寝てない自慢」を始めたら、速やかに労働基準監督署に相談するよう勧めてあげましょう。
リア充ぶりをアピールしている可能性
忙しさの理由は仕事だけに限りません。「毎晩飲み会に誘われて寝る時間がない」など、リア充アピールのために「寝てない自慢」をしてしまう人もいるようです。
自分の人気ぶりや交友関係を自慢したいのかもしれませんが、聞いてる側からすれば「じゃあ今日はもう帰ってお休みくださいませ」としか言いようがありません。寝不足による重大な事故を引き起こす前に、布団の中に封印してやりましょう。
実は寝ているパターン

聞いてもいないのに、わざわざ「寝てない」ことをアピールしてくるタイプは、実際は「寝ている」ことが多いという説があります。つまり嘘をついているのです。
なぜそんな嘘をつくのでしょうか?
嘘をついてまで「寝てない自慢」をしたがる彼らには、単に「自慢したい」だけではなく、裏の心理があると考えられます。
パターン1:失敗した時の言い訳のため
もっとも典型的なのが、「失敗した時の言い訳」のために「寝てない」と言うパターン。テストの当日の朝などに「1時間しか寝てないから今日ヤバイかも」などと言うタイプです。
そう言っておくことで、実際にテストの点数がダメダメだった時に「寝てないから仕方ない」という言い訳にするわけですね。
要は事前に逃げ道を作っているのです。
これはカッコ悪い!
パターン2:ただのかまってちゃん
「大丈夫?」などと気にかけて欲しいがために「寝てない」ことをアピールするパターンです。このタイプは他にも様々な嘘をついている可能性が高いので要注意! スルー推奨です。
本当に寝てない人には助けが必要
「寝てない」と嘘をつく人が厄介なのは、本当に寝てない人との区別が難しいことです。
何らかの理由で本当に睡眠時間が取れていない人は、睡眠障害のおそれや、寝不足による事故を起こす可能性があるため、正しい方法で助けてあげる必要があります。「寝てない」と嘘をつく人がいると、そんな彼らの発見が遅れ、助けを妨げることになりかねません。
「寝てない」と嘘をつくことは、何の得にもならないばかりか、他人に迷惑をかけている可能性さえあるのです。
「寝てない自慢」を撃退する方法
「寝てない自慢」は全く自慢にならないし、やめたほうが良いということがおわかりいただけたかと思います。
寝てない自慢をする人というのは大抵決まっており、そういう人はことあるごとに「2時間しか寝てない」「寝不足なのでヤバい」などと気軽に繰り返します。もはや習性といってもいいでしょう。聞かされるほうは「ハイハイ、またですか」と思っていることに本人は気づいていません。
もしあなたの周りに日常的に「寝てない自慢」を繰り返す人がいたら、この記事を読ませるのが一番です。しかし、指摘があまりに直接的すぎて友情が壊れてしまう可能性があります。
そこで、友情を壊さずに寝てない自慢の危険性を伝える方法を考えてみました。
寝不足のおそろしさを伝える

「寝てない」場合、身体にどのような問題が起こるかを知っておけば、「あなたのことが心配だから」という体(てい)で、寝不足の危険性を教えてあげることができます。
軽い気持ちで「寝てない自慢」をしてくる人には、専門知識で徹底的に睡眠の大切さと寝不足のおそろしさを説いてやるのです。あくまで「本気で心配だから言っている」という態度で行うことが重要です。
寝てないことをアピールした本人としては、「すげーな」とか「お前大丈夫かよw」といった軽い反応が返ってくることを期待しているはず。そこに本気の説教をぶつけてやれば、予想外の反応に動揺し、反省し、寝てないことは自慢にならないと悟るでしょう。
寝不足はそんな軽く扱っていい問題ではないのです。
寝てないとどのような危険がある?
それでは、実際に「寝てない」ことがどのような問題を引き起こすかを見ていきましょう。
体内時計が狂い、不眠が習慣化する
人間は体内時計(生物時計)によって生活のリズムを保っています。体内時計があることで、いつも大体どのくらいの時間に眠くなり、どのくらいに目覚めるかというスケジュールが管理されているのです。
寝不足によってこのリズムが狂うと、夜になっても眠くならない、決まった時間に起きれない、といった状態に陥ります。通常は朝の太陽の光を浴びることで体内時計がリセットされますが、不規則な寝不足が続くと調整が効かなくなってしまうのです。
それがさらなる不眠を引き起こし、不健康な生活が続くことになります。
仕事の能率を低下させミスや事故を起こしやすくなる
「寝ずに頑張る」といった言葉がありますが、寝不足は注意力や作業能率を低下させるため、結果的に生産性が下がります。また、大きなミスや事故を引き起こす危険も高まります。
スペースシャトルや原子力発電所などの歴史的な大事故のいくつかも、寝不足が原因で起きたとする研究もあります。
参考:厚生労働省 – 健康づくりのための睡眠指針2014(平成26年3月)1-③
寝ずに頑張っていたつもりが、寝不足によるミスを起こして「役立たず」と見なされてしまっては元も子もありません。場合によっては信頼や職を失ってしまう可能性もあります。
生活習慣病の危険が高まる
寝不足は、肥満、高血圧、耐糖能障害(糖尿病の予備軍と呼ばれる状態のこと)、循環器疾患などの生活習慣病を発症する危険性を高めることが、様々な研究によって示されています。
この理由として、寝不足は食事や運動などの他の生活習慣にも影響を及ぼすことが挙げられます。
参考:厚生労働省 – 健康づくりのための睡眠指針2014(平成26年3月)3-①
こころの病につながるおそれがある
寝不足は抑うつ(気分が落ち込んで何にもする気になれない状態)を促進し、うつ病を発生しやすくする可能性があることが研究によって指摘されています。
参考:厚生労働省 – 健康づくりのための睡眠指針2014(平成26年3月)4-②
また、寝不足は感情のコントロールをつかさどる脳の前頭前野や大脳辺縁系の活動を低下させ、ストレスを増加させることが示されています。
参考:厚生労働省 – 健康づくりのための睡眠指針2014(平成26年3月)1-②
「寝てない自慢」はもうやめよう
以上、「寝てない」ことがどれだけ身体に悪いか、おわかりいただけたかと思います。
これからは、しっかりと健康的な生活を送れることが価値であり「自慢」になる時代です。
「寝てない自慢」ではなく、「眠りの質の高さ」を自慢しあえるような世の中になることを願っています。