睡眠に関する悩みの定番のひとつが「いびき」。

自分では直接聞くことができないため問題に気づきにくく、また不安にもなりがち。また、家族やパートナーのいびきに悩まされているという人も多くいます。

2018年3月に行われたセブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ株式会社による20歳以上の男女を対象とした睡眠に関するアンケート(計2142サンプル)では、「睡眠に対して悩んでいること」として、男性の約23%、女性の約15%が「いびきをかいている」と回答しています。

また、他の人と一緒に寝ている人を対象にした、相手の睡眠で気になることの質問では、全体の37.3%が「いびきがうるさいこと」と回答しています。

このように、いびきは本人だけでなく、一緒に暮らす人にも関わる問題のため、大きな悩みとなります。

また、同じ調査において、いびきに悩んでいる人の実に51.2%の人が、いびきの原因について「わからない」と回答しており、いびきに関する知識や情報が不足していることがうかがえます。

学校の授業では、いびきの原因や対策法については教えてくれません。知識や情報が少ないことも、悩みの一因になっていると言えるでしょう。

いびきにも様々な原因があり、状況に応じた対策法が存在します。正しい知識を持っていれば、悩みを解決できる可能性もあるのです。

この記事では、いびきの仕組みと原因、対策法をわかりやすくまとめてご説明します。

いびきとは何か?

いびき(鼾)の原因は、寝ている間に上気道(鼻・口から喉の奥までの空気の通り道)が狭くなることで、呼吸によって空気が通るたびに上気道を狭めて(塞いで)いる部分が震えて音が出ることによります。

すなわち、いびきは呼吸と連動しています。上気道が狭くならず、目覚めている時と同じようにスムーズに呼吸ができる状態であれば、いびきは起こりません。

ではなぜ、寝ている時に上気道が狭くなってしまうのでしょうか?

いびきの原因と仕組み

いびきは、寝ている時に舌根(ぜっこん)や軟口蓋(なんこうがい)が上気道を狭めることによって起こります。

舌根とは舌の奥の、のどに繋がっている部分のこと。軟口蓋は口の中の天井の奥の柔らかい部分のことです。

通常、起きているときには、舌根は舌の筋肉に支えられて前の方にあるので、上気道を塞いでしまうことはありません。

しかし、仰向けの姿勢になると、舌そのものの重みによって、舌根が上気道のほうへと沈んでいきます。

それでも、ある程度の隙間が保たれている状態であれば、いびきにはなりません。問題は、人によって舌の大きさや舌の筋力、上気道の広さが異なるということです。

もともと舌が大きかったり、上気道が狭かったりすると、仰向けになって舌根が少し沈んだだけで、上気道がほとんど塞がってしまう場合があります。すると、呼吸をするたびにその沈んだ舌根と上気道の隙間を空気が通り抜けようとして圧力がかかり、周辺の粘膜が震えて大きな音が出ます。それがいびきです。

軟口蓋も同様に個人差があり、もともと軟口蓋が大きい人や、のどの奥にある扁桃腺やアデノイドが大きい人(炎症によって腫れていることもあり子どもに多い)は、仰向けになると気道が塞がりやすく、いびきを引き起こします。

このように、いびきは身体の構造によって生じる現象であり、一般的な意味での病気とは若干意味合いが異なります。しかし、呼吸に関わる部分であるため、身体には少なからず負担がかかっています。健康的な暮らしのためには改善するに越したことはありません。

いびきがひどい場合は要注意!

いびきがひどくなり、舌根や軟口蓋によって気道が完全に塞がってしまうと、睡眠中に一時的に呼吸が止まってしまう睡眠時無呼吸症候群となり、さらに深刻な問題を引き起こします。
いびきの裏に何らかの病気が隠れている場合もあります。また、普段いびきをかかない人がいびきをかいて寝ている時は、不調のサインである可能性が高く、注意が必要です。

いびきの原因や仕組みを知っておくことは、とても大事なことなのです。

いびきをかきやすい人の特徴

いびきをかきやすい人の特徴・説明図

いびきの発生源となる、舌根、軟口蓋などの上気道まわりの構造には、大きさや広さなどに個人差があります。
そのため、いびきをかきやすい人と、かきにくい人がいます。

たとえば、痩せている人より、太っている人のほうがいびきをかきやすいという傾向があります。痩せている人であっても、日本人はあごが小さい人が多いため、あごの大きな欧米人に比べると気道が狭く、いびきをかきやすいと言われます。

そしてそれは、生まれながらの性別や骨格による差だけでなく、年齢や食生活、体調などによっても変化します。若い頃はいびきなんてかかなかったのに、最近かくようになった、ということも起こり得ます。

つまり、いびきをかきやすい人の特徴を知ることで、いびきを防いだり改善できる可能性もあるのです。

いびきをかきやすい人には、一体どのような特徴があるのでしょうか?

1. 肥満によって首や気道の周りに脂肪が増えている

気道が狭くなる原因として、現代人に多いのが肥満によるものです。首まわりやのどに脂肪がついて厚くなることで、気道が狭くなり、いびきをかきやすくなります。
この場合、肥満解消によっていびきを改善することが可能です。

また、肥満が原因の場合、睡眠時無呼吸症も起こしやすいため、早急に対策を行う必要があります。

2. 舌やのどの筋肉が弱くなっている

舌やのどの筋力が衰えることで、舌が沈みやすくなり、いびきの原因になることがあります。
若い人よりも、歳をとった人のほうがいびきをかきやすいのは、加齢によって筋力が落ちていることも関係しています。

また、舌の筋肉はいびきだけでなく、様々な健康に関わっていると言われており、舌を鍛えるための体操なども考案されています。

3. 口呼吸をしている

口で呼吸をする習慣がある場合、睡眠中も口が開きっぱなしになるため、舌が緩んで沈みやすくなり、いびきの原因となります。

睡眠中の口呼吸は口の中を乾燥させ、ウイルスに感染しやすくなったり、口臭の原因となったりもするため、改善することが望ましいです。

また、風邪や花粉症などで鼻の通りが悪くなり、一時的に口呼吸になってしまうことで、普段いびきをかかない人がいびきをかく場合もあります。この場合は、症状が治まれば鼻呼吸に戻るので、そこまで心配する必要はないでしょう。

口呼吸が習慣化している人は注意が必要です。最近では、口呼吸をやめるためのグッズや健康アイテムも様々なメーカーより発売されており、効果も出ているようです。自分にあったものを選び、鼻呼吸を習慣づけましょう。

4. アルコールを飲んでいる

アルコールを飲むとリラックスして筋肉が緩みます。舌の筋肉も緩くなるため、のどの奥へと沈みやすくなり、いびきを引き起こします。

普段はいびきをかかない人が、飲んだ時にだけいびきをかくことがあるのは、この理由によります。

5. タバコを吸っている

タバコの煙には様々な有害物質が含まれており、気道の粘膜を傷つけます。それがむくみや炎症を引き起こすことにより、気道が腫れて狭くなり、いびきの発生に繋がります。

6. 寝具が身体に合っていない

枕の高さやマットレスによって、いびきをかきやすくなることがあります。

いびきは基本的に仰向けで寝ている時に起こるため、横向きで寝やすい寝具を利用するなどの方法で、いびきを改善できる場合があります。

いびきを改善するためにできること

いびきが日常生活に支障が出るほどひどい場合や、睡眠時無呼吸症を起こしている場合は、早急に病院での診察を受けることをおすすめします。
近年、主に耳鼻科や呼吸器科などの病院で「いびき外来」としていびきに関する相談を受け付けている病院が増えていますので、お近くの病院を調べてみて下さい。

普段の生活から、いびきを予防・改善するために気をつけられることは色々あります。

肥満、筋力低下、飲酒、喫煙など、いびきをかきやすくなる原因には、私たちが一般的にイメージする「不健康な生活」と一致する部分が多くあります。

すなわち、逆に「健康的な生活」を心がけるようにすれば、それはそのまま、いびきの予防・改善にも有効であると言えるでしょう。

肥満にならないようにする、アルコールはほどほどにする、タバコは吸わない。これらはいびき対策に限らず、健康的に生活するためには常に意識しておくべきことです。

健康的な生活を手に入れて、いびきの悩みも解消できるなら最高ですよね。
今その一時の楽しみのために、好きなだけ食べて飲んで吸うのではなく、未来の幸せのために、暴飲暴食をやめて禁煙する。取り組む価値は高いはずです。

その他、舌やのどの筋力低下に関しては、専用のトレーニングを行う。口呼吸になっている人は、鼻呼吸ができるようにする。仰向けで寝ていていびきをかく人は、横向きで寝られるようにしてみる。

これらに取り組んでいくことで、日頃から「いびきをかきにくい身体」にしていきましょう。